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身近な法律問題

親族間の告訴

 親族間の、窃盗などは警察は、まともに取上げてくれません。
 刑法244条には、以下のとおり定められています。
 「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪(註。窃盗)、第235条の2の罪(不動産侵奪)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する」

 その他、暴行、傷害などでも、夫婦、親子、兄弟間の「いざこざ」には、警察は腰が引けています。

 警察には警察なりの合理性があります。

 本当に、暴行や傷害があったとして、本気で捜査するとします。
 被害者調書も刻銘に取り、被疑者調書も刻銘に取ります。
 実況見検も怠りなくします。
 医師の診断書も完璧にそろえます。

 さあ、警察の意見をつけて、送検します。

 検察官は起訴してくれるでしょうか。
 他人どおしの暴行傷害ならともかく、親族間の暴行傷害を起訴するには「リスク」がつきものです。
 完璧と考えていても「どんでん返し」をくらうことがあります。
 親族の仲が回復して、仲良くなっていると、公判になってから、被害者が「殴られたのではありません」「私が誤って怪我をしてしまったのです」と平気で嘘をつくことがあります。
 そうすると無罪になる可能性が生じます。
 検察官にとって「無罪判決」を受けることは、自分の出世に悪影響を及ぼします。
 捜査検事と公判立会検事が、内規上違っていても、同僚に「ぶざま」なことはできません。
 ということで、検察官は「嫌疑不十分」で、不起訴とする可能性があります。

 こういう状態で、警察官が、ちゃんと捜査をすることが期待できるでしょうか。
 「あほらしくて」やってられません。

 ということで、暴行、傷害などでも、夫婦、親子、兄弟間の「いざこざ」には、警察は腰が引けるのです。
 よく考えれば当然のことですね。

 ということで、夫婦、親子、兄弟間の「暴行」「傷害」はよほど重大な結果を生じないと(「傷害」には「植物人間にしてしまう」という重大な犯罪を含みます)立件してくれません。
 また、「殺人」なら、間違いなく立件してくれるでしょう。

 ということで、夫婦、親子、兄弟間の「喧嘩」には警察官は関与してくれません。
 結果が小さければ、相手にもしてもらえません。

 ただ、このことが、子や両親の虐待を見逃すことになり、死亡してはじめて立件されるという悲劇を生む一因ともなっています。

西野法律事務所
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