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2015年~2017年バックナンバー

預金の東京一極集中

 日本銀行の統計によりますと、東京都の銀行預金は平成29年3月末時点で254兆円と、1年前である平成28年3月末から12.7%増えたそうです。
 
 国内銀行の預金残高は平成29年3月末時点で745兆円と、平成28年3月末に比べ6.2%増えています。
 
 47都道府県で預金の同増加率が最も高かったのは東京都で、全体に占める割合は34%に達し、東京への預金の東京一極集中に拍車がかかってきました。
 
 もっとも、平成27年の東京都のGDPは、1兆6167億ドルと、日本のGDPの3分の1をはるかにこえていますから、当然と言えば当然です。
 
 なお、平成27年の国ごとのGDPランキングに(東京圏)のGDPを当てはめると11位になります。
 
 ちなみに、13位はオーストラリア、14位韓国と続きます。

 日本は、1年間で約130万人が死亡しています。
 
 遺産相続も多くなっています。
 
 高齢化は地方から進んでいて、地方在州の親が死亡し、東京や大阪など大都市で働く子らが相続すると、地方からの預金流出につながってしまいます。その規模は年間数兆円とみられます。
 
 預金の減少や伸悩みは、人口が減り、高齢化した都道府県地域に多く、平成27年の国勢調査で人口減少率が最大で、平均年齢が51歳と最高の秋田県の銀行預金の伸びは1.8%増と全国平均の3分の1未満にとどまっています。
 
 高齢化した都道府県地域では日本銀行のマイナス金利政策のなかでも高い金利で預金の引留めに力を入れています。
 
 ネットでは、1年物で年0.3%と、大手銀行の店頭金利の30倍に匹敵する金利水準で顧客を獲得しようという銀行も増えています。
 
 ちなみに、100万円を預けたとき、年0.3%で3000円(税引後2400円)、年0.01%で100円(税引後80円)です。
 
 金融資産は65歳以上の高齢者が過半数以上を保有しています。
 
 団塊の世代が全員75歳以上になる2025年には多くの地方が預金減少に見舞われかねず、預金減少が本格化すれば、銀行経営にとって最も大事な流動性が低下し、地銀再編を一段と加速させる可能性があります。
 
 地方銀行の統合は一層進むでしょう。
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