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2015年~2017年バックナンバー

収入印紙をめぐる問題

 この契約書には印紙が貼っていないから無効だとか、この領収証には印紙が貼っていないから無効だとか言われる方がおられます。

 印紙の貼付の有無は、契約書などの文書の効力には一切影響がありません。

 

 ただ、印紙を貼付していないと、印紙税を貼付すべき文書に印紙が貼付されていなかった場合、本来貼付すべき印紙の3倍の過怠税が課されます。本来200円の印紙なら知れてますが、例えば、本来10万円の印紙だったらたまったものではありません。

 

  「印紙税についての国税庁のページ」 をご覧ください。

  どのような文書に印紙を貼付しなければならないのか、また、印紙税額はいくらなのかが記載されています。

 

 なお、税務署の調査が入ったら印紙を貼ろうという方がおられるかも知れません。
  税務署の調査が入らなければ「丸もうけ」と考えて。

 

 しかし、あまりお勧めできません。

 印紙の図柄は、結構変えられています。また、図柄が変わらなくとも、透かしの糸の色だけが変えられている場合もありますから、注意が大切です。

 

 税務調査の際に、文書作成時に「存在しない」「新しい」収入印紙が貼付されていれば、一巻の終わりです。文書作成の時貼付されていないわけですから。

 

 なお、印紙の図柄の変遷については、公刊された本があります。
  当事務所にも備え付けています。
  本の名前や発行者はここでは記載しません。

 

 なぜ、法律事務所に、印紙の図柄の変遷についての本があるのでしょうか。

 

 私は、印紙税をごまかすつもりはありません。もともと、弁護士の職務上作成する書面に印紙は要りません。
  
 相手方から「契約書」や「領収証」が提出され、依頼者が、こんな書類は作成していない、後日勝手につくったものだと言ったとします。

 印紙が貼付されていれば、その印紙と、印紙の図柄の変遷についての本を比較対照して、文書作成時に「存在しない」「新しい」収入印紙が貼付されていれば、依頼者の言うことが正しいと言うことになります。

 

  逆に、相手方が、依頼者の提出した資料を「後日つくられたものである」と主張してきた場合、文書作成時の旧図柄の印紙が貼付されていれば、相手方の主張に堂々と反論ができます。

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