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2018年バックナンバー

雑記帳

紀州の自然・人々招く

 平成30年12月10日付日本経済新聞電子版
 

---引用開始---

 

 高野山などの世界遺産を擁する和歌山県。

 

 豊かな歴史や自然を生かし、国内外の観光客の受け入れ体制を拡充している。
 海辺のリゾートには企業も注目、リフレッシュしながら働く新たな生活様式の適地として定着してきた。
 ミカンや梅、柿などが全国シェア1位の農業は輸出にも挑戦。
 欧米の一流ブランドも注目する編み機など高い技術も光る。

 

 人口が関西2府4県で唯一100万人を下回るが、個性を磨き世界とのつながりを深める。

 

歴史と伝統 欧米が注目

 

 昼なお暗い森林に囲まれ、古来修験道の場となった熊野古道。険しい高野山の深奥にそびえる神秘的な宗教施設。世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」は2018年の「訪れるべき地域」として、紀伊半島を全世界の中で5位に挙げた。これは国内で最も高い順位だ。

 

 熊野や高野山は、日本の歴史や精神文化に強い関心を持つ欧米系の観光客らに人気が高く、和歌山県を訪れるインバウンド(訪日外国人)は増え続けている。 

 

 2017年の宿泊客数は47万5628人で12年(11万7359人)の4倍以上。世界遺産に選ばれたエリアの高野町、田辺市、那智勝浦町は過去最高を記録した。

 

 熊野古道が通る田辺市は、キリスト教の巡礼路のあるスペイン北部ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラと「巡礼の道」のつながりで観光交流協定を締結。
 共通巡礼手帳を発行し、2月には両方の道を歩いた人が1000人に達した。厳かな古道や宗教施設だけでなく、8月に16頭目となる赤ちゃんパンダが誕生したアドベンチャーワールド(白浜町)も根強い人気を誇る。

 

 恵まれた観光資源をさらに生かそうと、県は2017年に海外プロモーションを44回開いた。18年は新たにブラジルやアルゼンチン、ロシアでもプロモーションを行い、ニーズの取り込みを狙う。

 

 那智の滝(那智勝浦町)など、アクセスが不便な県南部にも海外から関心が寄せられており、県は利便性向上を急ぐ。17年に「熊野外国人観光客交通対策推進協議会」を設立。

 JR西日本や複数の路線バス会社向けに多言語案内などの指針をまとめた。
 各社は路線バスに系統番号をつけたり、複数のバス路線図と鉄道情報を一つにまとめたりして、スムーズな乗り換えができるよう環境を整える。

 

 紀南地方の観光活性化では、県営の南紀白浜空港(白浜町)が2019年4月に民営化されるのも追い風だ。

 

 2018年7月、コンサルティング会社の経営共創基盤(東京・千代田)などが出資する南紀白浜エアポート(白浜町)が運営事業者に選ばれた。同社は成田からの定期便就航や、アジアなどからの国際チャーター便の誘致に取り組む。

 

 県も10億円超を投じ21年に国際線ターミナルビルを整備する。柱などに紀州材を使って和歌山らしさをアピールし、2階の商業施設は現在の4.5倍にあたる約900平方メートルとする予定だ。
 海外からの観光客の利便性を大幅に高める。

 

 こうした動きをみて南海電気鉄道は2019年春、那智勝浦町で高級リゾートホテルを開業する。
 約20億円を投じ運営する「ホテル中の島」を改装。全室に露天風呂を設け、宿泊料を現在の2倍の1人1泊3万円に上げ、対象顧客を海外の富裕層らに絞る方針だ。

 

 今後の和歌山観光の大きな焦点は、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の行方だ。

 

 県は和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致をめざしており、年間約3000億円の経済効果を見込む。ギャンブル依存症対策として導入するIRカードにポイントを付け地域振興にも役立てるなど、独自の取り組みを検討中だ。

 

---引用終了---

 

 大阪や京都は、外国人観光客であふれています。

 

 ただ、欧米人は少数で、ほとんどがアジア系の旅行客です。

 

 紀伊田辺の駅に行くと、熊野古道へのバスの発着を待つ欧米人旅行者が目立ちます。
 高野山へのモノレールに朝早く乗ると、宿坊に宿泊した欧米人旅行者でいっぱいです。

 

 欧米人にとっては、熊野古道や高野山は、異国情緒にあふれる恰好の旅行先なのでしょう。

 

 旅行ガイドブック・ロンリープラネット(LonelyPlanet)は、2018年の「訪れるべき地域」として、紀伊半島を全世界の中で5位に挙げ、これは国内で最も高い順位ということが、このことを端的に示しています。

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