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2018年バックナンバー

雑記帳

徴用工判決で日本企業から「韓国撤退」思わせる動きも発生

  ニュースポストセブン・2018.11.14記事(週刊ポスト2018年11月23日号)
 

---引用開始---

 

 韓国人元徴用工4人が新日鐵住金を相手に損害賠償を求めていた裁判で、1人あたり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じる判決が確定した問題。

 

 現在、韓国では少なくとも15件の徴用工訴訟が起こされ、対象の日本企業は約70社にのぼると報じられている。

 

 新日鐵住金をはじめ、三菱重工業、IHI、東芝、日産自動車、パナソニック、日本郵船、住友化学、王子製紙など日本を代表する企業が並んでいる。

 

 しかも、徴用工訴訟の動きはさらに広がっていく可能性が高い。

 

 韓国政府がまとめた「日本強制動員現存企業299社リスト」が存在する。

 

 李明博政権末期の2012年8月、国務総理室に置かれていた『対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制労働動員犠牲者等支援委員会』が作成したとされるリストで、2012年現在の企業名と所属していた旧財閥名、当時の企業名、業種が一覧になっている。

 

 名指しされた企業は、今後想定される訴訟攻勢にどう備えようとしているのか。

 

 すでに訴訟中の企業の中には、韓国からの撤退を思わせる動きを見せたところもある。

 

 徴用工訴訟で新日鐵住金に続く標的とされている三菱重工だ。

 

 同社はすでに3件の訴訟を抱え、いずれも下級審では同社に賠償金支払いを命じる判決が出された。そのうち1件は今年12月5日に高裁判決、もう1件は日本の最高裁にあたる大法院での審理が開始されている。新日鐵住金に対する“判例”からしても、三菱重工が逆転勝訴する可能性は極めて低い。

 

 その三菱重工は今年春、グループ会社の韓国現地法人を清算した。

 

 同社広報部は「もともと事業分野別に本社事業の整理を進める一環として、本社グループ会社の韓国現地法人を清算しております。これは徴用工の訴訟とは直接関係はありません。新たに韓国で立ちあげた法人もあります。(韓国に対する投資縮小は)現時点ではとくにありません」

 

 と説明する。だが、同社の子会社である三菱重工コンプレッサが三菱商事と合弁で新たに韓国に設立した「MHICompressor Korea, Ltd.(MCO-K)」(資本金1億円)は10月に開業したものの、社長以下社員わずか4人のアフターサービスの会社だ。

 

 三菱重工の宮永俊一・社長は新日鐵住金への判決について「非常に長い過去の経緯があり、我々は新日鐵住金さんと全く同じ立場でやってきた。そうした立場に立つ者としていえることは、『極めて遺憾なことだ』と。新日鐵住金さんと同じ考えだと私個人はいうべきだと思う」と述べた。

 

 「重工さんは判決後の差し押さえリスクを考えて、今のうちに韓国国内に置いておく資産を極力減らそうと考えているのではないか」

 

 訴訟対象となっている他の企業幹部にはそう映っている。

 

---引用終了---

 

 韓国大法院の判決を受けて、今後相次いで同様の訴訟が起こされています。

 

 日本企業が賠償に応じなければ、韓国内の資産を差し押さえられる可能性があります。

 

 現実に、新日鐵住金に対しては、強制執行の予告もされています。

 

 韓国政府も難しい対応を迫られています。

 

 判決後、韓国政府は司法の判断を尊重しつつも、日韓関係に否定的な影響を及ぼすことがないように取組むと表明しているのですが、結局何もしないということですね。

 

 韓国政府が賠償近全額支払うというのが、日本の最低限かつ唯一の方策ですが、韓国にその気はないようです。

 

 日本と韓国の企業がサプライチェーンで結びついています。

 

 日本企業は韓国企業に対して、高品質な素材、基幹部品、製造装置を供給しています。

 

 生産コストの低さのほか、韓国企業が顧客として存在していることもあります。

 

 韓国企業も、半導体や鉄鋼製品、自動車部品を日本企業に供給しています。

 

 こうしたサプライチェーンは日韓の枠を超えて、世界に広がっていますが、朝鮮半島出身の労働者から訴訟をされうる企業は、最小限度のメインテナンスの会社を残し、撤退するでしょう。

 

 韓国経済にマイナスの影響が及びます。

 

 日本企業による投資が減少します。

 

 訴訟対象になる企業を中心に、韓国での投資計画の先送りや新規投資の見送りが生じるほか、韓国の法的安定性への信頼低下により、日本から韓国への新規投資が減少する可能性があります。

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