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2019年バックナンバー

雑記帳

日米貿易交渉、早期決着

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は、令和元年9月26日、日米貿易交渉で基本合意しました。
 
 貿易交渉は閣僚級協議で令和元年8月23日、重要品目の扱いに関して大枠で合意していました。
 
 トランプ氏は25日「基本合意できた」と述べ、会談に同席した茂木敏充経済財政・再生相(当時)は記者会見で、農産品と工業品、デジタル経済の3つの分野で「意見の一致をみた」と説明しました。
 
 農産物の関税はTTP水準になります。
 主たるものでは、日本が米国産牛肉にかけている38.5%の関税は段階的に引き下げ、2033年4月に9%にします。TPP11と同水準になり米国はTPP参加国と競争条件がそろいます。
 
 TTP11加入国のオーストラリアやニュージーランドは、とっくに、TTP水準になっています。
 TTP11に未加入のアメリカだけが高い関税をかけられていたということになり、アメリカは早期加入を望んでいました。
 日本は、焦るアメリカの足下を見て、TTP11水準にとどめることに成功しました。
 
 貿易協定とは別に、アメリカ産の飼料用のトウモロコシを購入する考えをトランプ氏に伝えました。
 これも、日本の輸入総量に変化はなく、前倒しで輸入したということにすぎません。
 
 トランプ大統領の選挙向けパフォーマンスに協力したということですね。
 
 茂木氏は記者会見で米農産品の関税下げについて「過去の経済連携協定の範囲内で米国が他国に劣後しない状況を早期に実現する」と明らかにしました。関税の下げ幅は環太平洋経済連携協定(TPP)以下になります。
 
 日本が米国に要請してきた工業品の関税引き下げでは自動車本体の関税撤廃を先送りします。
 
 もちろん、遠い将来でも0にすればよかったのでしょうが、日本の自動車の競争力は、現状のままでも十分というのが本音です。
 それより、日本はアメリカによる「通商拡大法232条」に基づく自動車への追加関税25%は受け入れられないとしてきました。
 
 それが入らなかったと言うことは、とりあえず日本の勝利です。
 もっとも、将来どうなるかわかりません。
 
 日本が最も恐れていたのは「為替条項」です。
 金融を緩和すれば、緩和した国の通貨が安くなります。
 自民党政権になってから、金融緩和で円安になり、経済が好調になりました。
 アメリカが、この点を狙ってくるのが日本としては怖かったということです。
 もっとも、将来どうなるかわかりません。
 
 茂木敏充経済財政・再生相は、交渉を成功裡に終了させて、論功行賞ということもあり、外相に昇格しました。
 
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