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2019年バックナンバー

雑記帳

エレベーターの制限重量

 エレベーターの制限重量というのがありますね。
 
 制限重量をオーバーするとブザーが鳴り、最後に乗った人が「気まずい」思いをしたり、場合によっては、先に乗っていた体重の重そうな人が「じろっ」とみられたします。 
 
 制限重量は、どのように決まっていると思いますか。
 
 まず、ロープ式エレベーターの駆動方式は、「ドラム式」「つるべ式」に分類することができます。
 
 「ドラム」式は、単純に、モーターでエレベーターをワイヤで引っ張り上げる方式です。
 
 現在のロープ式エレベーターの多くは「つるべ式」を採用しています。
 
 「つるべ式」のエレベーターは、人が乗る「かご」と、「つり合わせるおもり」がワイヤーロープによって「つるべ式」につながっており、モーターを制御して「かご」を昇降させる方式です。
 
 「つるべ式」の特徴は、かごとつり合いおもりをつり合わせているため、モーターにかかる負荷が半減され、モーターの容量を小さくすることができることです。
 
 エレベータのモーターを高機能にする必要がない分安くできます。
 
 たとえば、規定加重(「かご」+「人」)が700kgのエレベータの場合を考えます。
 
 重りがない場合(ドラム式)
 700kgまで持ち上げられる性能がモーターには要求されます。
 
 重りがある場合(つるべ式)
 かごが100kgとします。
 重りを400kgにしておきます。
 すると、人が乗っていない場合は、重りの方が300kg重くて、300kgの重りを持ち上げる性能のモーターですみます。
 
 逆に、人の制限重量を600kgとして、かごとあわせて700kgにすれば、かごと人の方が300kg重くて、300kgの重りを持ち上げる性能のモーターですみます。
 
 つまり、ドラム式の半分以下の性能ですむのです。
 
 現在の「つるべ式」の場合、「重りの重量」-「かごの重量」が、「制限重量」ということになります。
 
 もちろん、何かの場合に備えて「のりしろ」(マージン)はとっているでしょうが、基本的には、制限重量を超えると、モーターが動かなくなるおそれがあるということです。
 
 「のりしろ」がないと、動かないだけというのならいいのですが、モーターが故障して落下してしまいますと、加速度がついて大きな惨劇をまねきかねません。
 
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