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2019年バックナンバー

雑記帳

仏カジノ大手、和歌山に事務所=IR参入目指す

 フランスのカジノ大手、グループ・ルシアン・バリエール(本社・パリ)は、令和元年5月14日、和歌山市内に日本事務所を開設したと発表しました。
 
 和歌山県はカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に名乗りを上げていて、同社は和歌山県でのIR参入を目指します。
 
 和歌山市内で記者会見した日本法人の社長、ジョナタン・ストロック氏は「和歌山はすでに候補地があり関西国際空港も近く、IRに必要な条件がすべてそろっている」と説明し、今後、和歌山県が実施する事業者公募に向けて準備を進めるということです。
 
 候補地は、和歌山市と海南市との境界沖の人工島であるマリーナシティーです。
 
 すでにホテルや温泉、マリンスポーツなどの施設が整備されているマリーナシティは、関空から車で1時間以内という好立地が強みで、IR誘致が実現した場合、大阪と和歌山をつなぐ高速道路(阪和道・海南インターチェンジから車で約10分。片道2車線)などの渋滞が予想されますが、直接、関空島と「マリーナシティ」とを船で結ぶことも可能です。
 
 和歌山県は、近畿2府4県のうち、奈良県と並んで、新幹線の通らない県です。奈良県には、リニア新幹線の駅ができる予定ですから、和歌山県は、いずれ、近畿で唯一新幹線の通らない県になります。
 
 最大109万人の人口があった和歌山県は、令和になった時点で101万人に減少、人口40万人あった和歌山市も、36万5000人に減少しています。
 
 和歌山県としては、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致して、税収の減少を何とかしようと考えています。
 
 和歌山県人は、無駄遣いをしない倹約型の県民性ですから(8代将軍徳川吉宗が質素倹約につとめたのも、紀伊国の県民性ともいわれています)、カジノでギャンブル中毒という心配は、さほどありません。
 
 ただ、全国に、カジノを含む統合型リゾート(IR)が、いくつ、つくられるかという問題でしょうね。
 
 和歌山県は、優先順位は高くないでしょう。
 見込み薄かも知れません。

 和歌山県の税収不足は、ある意味深刻です。
 
 ただ、和歌山県は、安直な、原子力発電所の計画をすべて退けています。
 毒まんじゅうは食べませんというか、盗泉の水は飲みません。
 そんなことをして、子孫に自然豊かなふるさとを残せないという考える人が多数派でした。
 
  ちなみに、原子力発電所の計画を退けた市町村は、以下の通りです。
 
北海道・石狩市
北海道・せたな町
新潟県・新潟市西蒲区
石川県・珠洲市寺家
石川県・珠洲市高屋
福井県・福井市三里浜
福井県・小浜市
京都府・舞鶴市
京都府・宮津市
京都府・京丹後市
京都府・香美町
兵庫県・新温泉町
兵庫県・たつの市
鳥取県・鳥取市
岡山県・備前市鹿久居島
山口県・萩市
山口県・下関市
宮崎県・串間市
愛媛県・宇和島市
高知県・黒潮町
高知県・四万十町
徳島県・海陽町
徳島県・阿南市
和歌山県・日高町小浦
和歌山県・日高町阿尾
和歌山県・白浜町
和歌山県・串本町
和歌山県・那智勝浦町
三重県・熊野市井内浦
三重県・紀北町大白浜
三重県・紀北町城ノ浜
三重県・大紀町、南伊勢町芦浜
岩手県・宮古市 
 
 和歌山県と三重県で9カ所候補地があったのですね。いずれも、三重県の候補地は、すべて昔の紀伊国の一部です(和歌山県は紀伊国の大半で構成され、三重県は、伊勢国・志摩国・紀伊国の一部から構成されています)。
 
 和歌山県や三重県に、先見の明があったことは、福島原子力発電事故で明らかになりました。
 
 それにしても、南海トラフ地震や、津波の危険のある和歌山県や三重県に、原子力発電所をつくろうとするなど、正気ではありません。
 本当に安全なら、消費地であり、津波の危険が圧倒的に少ない、大阪や神戸あたりにつくればいいということになります。
 
 原子力発電所は危険ですが、カジノを含む統合型リゾート(IR)は危険ではありませんね。 
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