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雑記帳

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元号と漢字

 新しい元号が「令和」に決まりました。
 
 新元号の出典は、日本最古の歌集「万葉集」の「梅花(うめのはな)の歌三十二首」で、日本の古典に由来する元号は初めてとのことです。
 
 従前は、中国の四書五経などの古典によっていたそうです。
 
 新元号選定は、万葉集の、以下の序文から引用したそうです。
 
「初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」
(初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す)
 
 おさめられている和歌自体は万葉仮名で、日本語そのものですが、序文は漢文です。
 
 なお、中国の張衡の「帰田賦」に「仲春令月、時和気清。原湿郁茂、百草滋栄」にも「令」と「和」が入っていますが、そこからの引用ではなさそうです。
 
 もっとも、大伴家持の父である大伴旅人は、中国の張衡の「帰田賦」を教養として知っていた可能性もあります。
 
 もともと、元号自体が漢字ですから、古代中国の影響云々という話は野暮でしょう。
 
 日本は中国から漢字を輸入しましたが、日本は、欧米の単語を、漢字の熟語に翻訳しました。
 
 「和製漢語」と呼ばれます。
 
 現在の中国語についてみますと、和製漢語は中国語の中で重要な位置を占める言葉が多く、言葉の出現頻度が多いので、数えると7割程度にのぼるそうです。
 
 中華人民共和国の「共和国」は、和製漢語です。
 和製漢語がなければ、中国は、国名も付けられないことになります。
 
 逆に「日本」は、漢字で書かれています。「にほん」「にっぽん」「ひのもと」は、正式名称ではありません。
 
 こと、文字や熟語という点では、日本語も中国語も、日中合作です。
 
和製漢語

日中三国市場協力フォーラム 安倍総理スピーチ
 
(引用開始)
 
 日本と中国は、1000年以上の長い間、お互いに影響を与え合ってきました。
 
 5世紀、日本に、初めての文字である漢字がもたらされました。
 6世紀に伝来した仏教は、日本人の考え方に大きな影響を与えています。そして8世紀に遣隋使・遣唐使を通じて、中国の社会制度や、都市のつくり方を学びました。中国は、長きにわたり、日本のお手本でした。
 
 今も、日本の高校生は、日本の国語として、漢文、すなわち中国の古典を勉強しています。御来場の皆様にも、学生時代大変苦しい思いをした方がたくさんおられるのではないかと思います。でも、漢文の奥深さは日本語を豊かにしており、私自身、今でも漢文から学ぶことは多いと感じています。
 
 19世紀になると、日本人が西洋の技術を取り入れ、中国が作った漢字を使って、西洋の思想を翻訳しました。哲学、経済など、その時につくられた新しい単語は、中国に逆輸入され、今でも、中国語として使われています。
 
 1980年代、中国に、いち早く支援を始めたのが日本です。日本の政府と企業が投資を行い、中国の皆さんと共に近代化を進めてきました。現在の発展した中国を見ることができるのは、日本人としての誇りでもあります。
 
 そして今、発展した中国と日本が、ついに、共に世界に貢献する時代がやってきました。
 
  今日、その歴史の転換点となる現場に、李総理、そして皆様と共に参加できることを、大変うれしく感じています。
 
 (引用終わり)
 
 日本が、中国から文字や仏教を輸入したことで、日本の食生活や文明が発達したことは間違いありません。
 
 漢字は、紀元前から中国から伝わり、西暦57年に後漢の光武帝から「金印」が譲られていますし、百済に住んでいた中国人である王仁博士が、5世紀に「千字文」を伝えたという話は教科書にも出ています。
 
 百済に住んでいた中国人の僧が、日本に中国仏教を伝えました。
 
 つまり、漢字、仏教(インドが起源)は、中国からのものということになります。
 
 明治維新の際、日本は欧米文化を取入れて、法制度、土木建築、造船、医学などを発達させ、欧米列強に並ぶまでになりました。
 
 西洋の専門用語については、カタカナそのままに利用するのではなく、和製漢語をつくりました。
 
 明治時代の西周(にし・あまね)が、philosophy(英語)・Philosophie(ドイツ語)を、「哲学」と造語しているのが有名ですね。
 
 今度は、逆に、西洋の文化文明をいち早く取り入れ、先進国化した日本が、中国に和製漢語はもちろん、西洋文明を伝えました。
 
 
 日本でつくられた和製漢語は、以下のものです。
 
 「文化」「文明」「民族」「思想」「法律」「自由」「民主」「科学」「哲学」「理想」「信用」「人格」「住所」「社会」「労働力」「政党」「政策」「支配」「経済」「固定資産」「人民」「共和」「共産主義」「不動産」「不景気」「材料」「倉庫」「財閥」「財務」「財政」「簿記学」「弁護士」「承認」「抽象」「出版」「出席」「初歩」「処方」「処刑」「病理学」「舶来」「意味」「意志」「改善」「根本的」「宗教」「組合」「保健」「保険」「保障」「保証」「保釈」「背景」「必要」「便所」「表情」「表現」「博士」「経済」「資本」「階級」「警察」「分配」「宗教」「理性」「感性」「意識」「主観」「客観」「科学」「物理」「化学」「分子」「原子」「質量」「固体」「時間」「空間」「理論」「文学」「電話」「美術」「喜劇」「悲劇」「社会主義」「共産主義」
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