2019年バックナンバー
雑記帳
米国防総省、春の米韓合同軍事演習の「終了」を発表
アメリカ国防総省は、平成31年3月2日、シャナハンアメリカ国防長官代行と韓国の鄭景斗国防相が同日電話で会談し、アメリカ韓両軍が朝鮮半島有事を想定して毎年春に行ってきた大規模軍事演習を終了させることを決めたと発表しました。
終了が決まったのは、野外機動訓練「フォールイーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」です。
規模を縮小させた代替の演習を別の呼称で続けるとしてされていますが、米韓部隊の訓練不足による有事即応態勢の低下に対する懸念が日米韓の関係者の間で強まるのは必至です。
終了の理由の1つは、北朝鮮と非核化の交渉を続ける狙いがあるものとみられます。
終了のもう1つの理由は、トランプ大統領が、韓国との軍事演習が、無駄遣いであるからやめてしまえば、軍事演習費を出さなくてすむという考えからといわれています。
合理的な判断とはいえません。
アメリカ軍と韓国軍が演習をしないかぎり、北朝鮮からの攻撃を防ぐことが困難になるでしょう。
訓練のない軍隊など、実質的にないも当然です。
また、アメリカと韓国の軍事演習は、軍事演習中にそのまま北朝鮮を攻撃するということができ、北朝鮮は、防備のために相当な人的物的負担を余儀なくさせられます。
その分、核やミサイル開発にかける余裕は減殺されますし、北朝鮮は、いつ何時、攻撃されるかわからないという不安が実質的になくなるという効果をもたらします。
といっても、日本がどうこうするだけの権限はありません。
小野寺五典元防衛相は記者会見で「在韓米軍を含むアジア太平洋地域のアメリカ軍の抑止力は地域の平和と安定に不可欠だ」と強調するとともに、「脅威の見積もりは変わっていない」とも述べ、アメリカとの連携や北朝鮮に対する自衛隊の警戒監視を継続する姿勢を示しました。