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雑記帳

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最高裁が、養育費算定表を作成した理由

 婚姻費用の調停、離婚の調停や裁判などで広く利用されている養育費の算定表について、最高裁判所の司法研修所が見直しを進めているそうです。
 
 現行の算定表は、最高裁判所の意を受けて、東京と大阪の高等裁判所・家庭裁判所・地方裁判所の裁判官らが「簡易迅速」な裁判を目指し、判例タイムズ1111号に平成15年4月公表されました。
 
 離婚訴訟などの管轄が、地方裁判所から家庭裁判所に移管されるのを前に、家計調査などに基づいて取りまとめたもので、今も各地の家庭裁判所で参考にされています。
 
 算定表によりますと、子どもの年齢や人数、支払う側と受け取る側の年収を基礎に、月額養育費を算定します。
 
 例えば、支払う側の父親がサラリーマンで年収が400万円で、15歳の子ども1人と同居する母親が200万円のケースは「月4万~6万円」としています。
 
 算定表ができたということは、それまでどうしていたのでしょうか。
 
 それまで、家庭裁判所が婚姻費用や養育費を定めるとき「労研方式(文部科学省が管轄する「労働科学研究所」で行った実態調査に基づいて算出した消費単位に従って、個々一人一人の生活費を計算する方式)」が一般でした。
 
 そこに、夫婦の双方の収入、生活費を実際に調べて、それに基づいて算出して分担額を決める方法をとっていました。
 
 私が、裁判官時代は「労研方式」だった記憶があります。
 
 あと、あまり経験はないのですが、「生活保護基準方式」「標準生計方式」「実費方式」というやり方があったそうです。

 養育費の場合、それほど急ぎません。
 
 まず、離婚が確定しなければならないですから、養育費が決まるまで、それよりも多額の婚姻費用が支払い続けられます。
 
 問題は、婚姻費用の審判です。
 
 婚姻費用の仮払いとして、ある程度の金額を送っていれば問題はないのですが、支払うべき当事者(通常・夫)が、「兵糧攻め」にするつもりで、あるいは、自分のために全額使ってしまって支払わない場合があります。

 「兵糧攻め」にするつもりというのは、離婚を早く認めさせようと圧力をかけようとすることもありますし、相手が、隠し預金をしていると考え、それを「はき出させる」ようにするつもりということもあります。
 
 婚姻費用を請求する当事者(通常。妻)は、調停が不調になったとき、審判が早く出るように求めます。
 昔は、判決と違って、家事審判の日は決めないということになっていました。
 
 いつ審判が出るか、当事者にはわかりません。
 
 家庭裁判所の裁判官が、当事者双方の主張・立証に基づいて婚姻費用の審判をするのですが、双方の主張、とくに「実費」などの主張に迷ったあげく、審判は遅くにしか出ませんでした。
 
 3か月も、極端な場合は半年すぎても、審判がでないケースがありました。
 
 もともと、家庭裁判所に、優秀な裁判官は少ないです。
 優秀な裁判官は、都市部か地方かを問わず、事件が複雑多岐な地方裁判所の民事部、刑事部に割り当てられてしまいます。
 
 審判が遅れに遅れることは、支払われるべき当事者(通常・妻)が、裁判所に「兵糧攻め」をされていたに等しかったのです。
 
 「Justice delayed,justice denied」(裁判の遅延は裁判の拒否)という言葉もあります。
 
 現行の算定表が、作成された理由の一つに、家庭裁判所の婚姻費用についての審判がでないということがあったといわれています。
 
 ちなみに、審判前の仮処分という制度もあるのですが、婚姻費用の審判に限っては、双方の主張は、本案と同じで、審判とともに審判前の仮処分が出される運用になっています。
 
 何のための審判前の仮処分かというと、婚姻費用の審判がでても、即時抗告がなされれば確定せず、2か月、多いときで3か月程度執行できません。
 
  審判とともに、審判前の仮処分がでれば、すぐに執行できます。
 
  不誠実な相手方(通常夫)の場合は、審判前の仮処分も申立て、審判がなされた時点で、差し押さえをすることになります。
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