雑記帳


⇒雑記帳バックナンバーはこちらから


放射性物質拡散の予測

 平成23年4月4日、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが明らかになりました。

 気象庁の予測は、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づくもので、国境を越える放射性物質汚染が心配されるときに、各国の気象機関が協力して拡散予測を行うことになっているようです。

 気象庁は、東日本大震災当日・平成23年3月11日から毎日1回から2回、拡散予測を計算しています。
 具体的には、IAEAから送られてきた放射性物質の放出開始時間や継続期間、どれくらいの高さまで上ったかを、風向きや天候など同庁の観測データを加えた上で、スーパーコンピューターに入力し、放射性物質の飛ぶ方向や広がりを予測しています。

 といいながら、新聞やニュースで見かけませんね。
 政府が発表していなかったからです。

 気象庁は、 「IAEAからの要請と当庁が作成した資料一覧」を平成23年4月5日発表しました。
 探しにくいですね。「2011年のさくらの開花・満開状況」はトップページにありますが、さくらの開花と、放射性物質の拡散予測とどちらが「大切」なのでしょう。

 この資料は、IAEAが定めた仮定「1ベクレルの放射性ヨウ素131が、標高20-500メートルの高度で72時間放出された」という条件に基づき、気象情報などを加味して割り出された拡散予測です。
 いわば仮定に基づくものであって、実際に観測された放射線量等は反映されていません。
 逆に、実際の数値が記載されていませんから、上記条件より、実際に観測された放射線量等が多いという可能性もあるということになります。

 なお、日本語版はありません。リアルでもありません。

 原子力発電にヘリコプターから放水したことがありました。その時、上空の放射能は測定されていましたね。いつから、測定しないようになったのでしょうか。それとも、測定しているのに公表していないのでしょうか。

 ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は、日本の気象庁などの観測データに基づき、独自に予測して、放射性物質が拡散する様子を、連日、天気予報サイトで公開しています。


 「ドイツ連邦・運輸・建設・都市開発省のホームページ」をご覧下さい。
 クリックすれば、拡大図が見られます。
 一番下の図面は、時間ごとの変化が見られます。

 なお、この図は、気象条件によってのみ記述されたもので、現実の放射能を表しているわけではありません。
 データが提供されていませんから「仮定」です。
 日本政府が、原子力発電所の上空の放射能は測定資料を公表していれば、正確な図面がかけるはずです。

 政府が、データを公開しないことについて内外の専門家からは批判が上がっています。
 政府の原発事故に関する情報開示の在り方が問われています。
 ただ、こんな図面が出れば「パニック」になりかねません。いくら、放射能レベルが無視しうるほど低くても、大げさに考えるものです。


 ちなみに、例えば、日食や月食の日時や場所、惑星や彗星の位置などは、性能の低いコンピュータでも計算できます。
 変数が少ない単純な計算です。

 煙の動きのシミュレーションは、スーパーコンピュータでないと無理です。
風向きや天候など不確定な変数が多すぎます。

 コンピュータは、何千年先の日食を正確に予想できるのですが、タバコの煙や木の葉の落下の予測は、残念ながらできません。



TEL 06(6314)9480

(土日祝休)
法律問題のことなら
西野法律事務所にお気軽にご連絡下さい。

西野法律事務所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満2-6-8堂ビル822号 TEL 06-6314-9480 FAX 06-6363-6355
Copyright(C)2007 NISHINO LAW OFFICE all rights reserved