法律事務所の経営難「How are you?」「I'm fine thank you.」を関西弁に翻訳すると、「もうかってまっか?」「ぼちぼちでんな」となるという話は、よく聞く「ネタ」です。 ただ、弁護士業界は不況でして、親しい弁護士どおしが話をすると「最近景気どう?」「あかん」「うちもや」という話になることが多いようです。 もっとも、このご時世に、どんどんイソ弁を採用して、事務所を拡張している弁護士さんもいますから、本当は「ぼちぼちでんな」なのに「あきまへん」と「嘘」をついているのかも知れません。
地方裁判所の事件はどうでしょう。 貸金や売掛金が定型的な事件でしょうが、不況の影響か、相手方が本当にお金がなく、訴訟をするだけ無駄ということが多くなりました。事件数も減っています。 交通事故は、減ってなさそうです。交通部の前の廊下は、和解期日に来た弁護士が数多く並んでいるのは同じです。 今は「ほそぼそ」となりましたが、裁判所の事件一覧に、サラ金相手の過払返還訴訟が並んでいた時期がありました。過払返還訴訟の減少が、民事の事件数の減少の最も大きな理由ということに間違いはありません。裁判所は、過払返還訴訟の統計をとっています。 破産事件は、景気が悪くなれば増加するものです。 家庭裁判所の事件はどうでしょう。 離婚事件は増えました。 また、司法書士や行政書士が、本来扱えない仕事をしているため、安さにつられて、弁護士に依頼しなくなった依頼者が増えたとも言われています。つまり、司法書士や行政書士が、弁護士が本来すべき業務を「浸食」されているということになります。
事件数が増えていないのに、弁護士数が増えれば、弁護士1人あたりの収入が減るのは当然の話です。 今、司法試験合格者の減員運動をしている弁護士さんがおられますが「手遅れ」かと思います。 弁護士業界の需要が増える見込みはなく、実質的に「ゼロサムゲーム」となっていますから、弁護士業界全員が「潤う」というのは無理で、限られたパイを、どのようにしたら自分のところが余分にとれるかということを考えた方が賢明です。
法テラス以前は、法律扶助制度は、財団法人法律扶助協会が担ってきました。 例えば、財団法人法律扶助協会時代は、個人のサラ金破産など債務整理の扶助を受けられるのは、生活保護受給者か母子家庭くらいでした。 また、法テラス基準は、債務整理以外の事件についても、本来の基準料金の約半額の着手金・報酬のようです。
法律事務所には、原材料費など「変動経費」が実質上なく(電話代、郵便代、コピー代が多少変わる程度)、実質、固定された「一般管理費」のみです。 イソ弁の解雇(イソ弁にとって不本意な独立)、事務員の整理解雇などが、「一般管理費」削減の有効な手段ですが、やりすぎると、従前の依頼者からは「先生の腕が落ちたから、客離れをしている」と思われかねません。 本当に「あきまへん」の弁護士にとっては苦しいところです。
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