死亡の推定
政府は、平成23年4月10日、東日本大震災の行方不明者について、死亡したと推定するのに必要な期間を現行の1年から3か月に短縮する方針を固めました。
法律は、「失踪宣告」のとおりです。
民法30条に「戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないとき、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。」と定められています。
民法所定の1年が長いという話になりました。
確かに、3か月と定めている特別法はあります。
労働者災害補償保険法10条には以下のとおり定められています。
「 船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた労働者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた労働者の生死が3箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又は労働者が行方不明となつた日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた労働者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。」
国民年金法18条の2には以下のとおり定められています。
「 船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた者の生死が3箇月間分らない場合又はこれらの者の死亡が箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又はその者が行方不明となつた日に、その者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中に行方不明となつた者の生死が3箇月間分らない場合又はこれらの者の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合にも、同様とする。」
厚生年金保険法59条の2には以下のとおり定められています。
「 船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた被保険者若しくは被保険者であつた者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が3月間わからない場合又はこれらの者の死亡が3月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又はその者が行方不明となつた日に、その者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた被保吸者若しくは被保険者であつた者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が3月間わからない場合又はこれらの者の死亡が3月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。」
労災による遺族への給付、遺族への年金給付は、1年を待たずに3か月で支給するということです。
これらの法律は、船舶の沈没、航空機の墜落に限定されていますね。
東日本大震災の行方不明は、「船舶の沈没」「航空機の墜落」に限られています。
津波により海にのまれた場合の定めがありませんから、特別法で措置するということでしょう。
ただ、「行方不明」になったから「早く死亡とみなしてほしい」という方は、どの程度おられるのでしょう。
なお、生命保険についても、生命保険各社が3か月で死亡を推定し、保険金を支払えるように国の運用指針を示す方向で調整している。
やはり、「行方不明」になったから「早く死亡とみなしてほしい」という方は、どの程度おられるのでしょう。
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