債務(借金)問題









無理な住宅ローン

 昔は、旧・住宅金融公庫など公的機関をはじめ、これまで多くの融資機関では融資限度額を物件価格の80%以下と定めていたため、残りの20%を頭金としてローンを組むのが一般的でした。
 新築物件の場合、購入と同時にその物件は「中古」となり、実際の資産価値が10%~15%目減りしてしまうことにも起因しています。
 もちろん、頭金の他、不動産総額の3%~5%は必要な、仲介手数料、登記手数料不動産取得にともなう税金など諸経費、引越し費用や家具購入費は、別途、用意した上での話です。

 このような場合、金融機関は、債務者に自宅を任意売却してもらえば、債権総額をほぼ回収できることになります。
 逆にいえば、債務者は、最悪自宅を売却すれば、借金を返済できることになります。

 しかし、政府の持家の振興政策により、担保価値以上の住宅ローンが供与されるようになりました。
 つまり、不動産の購入価格全額がローンで供与され、さらに、諸経費までローンが供与されることがあります。
 もちろん、返済の見込みが必要ですから、ある程度のレベルの給与をもらう、安定した企業や公務員などの給与所得者ということになります。

 不動産の購入価格全額がローンで供与される場合は、無条件で、住宅の10%~15%程度、3000万円の物件で400万円くらいの「債務超過」になってしまいます。
 無利息・返済義務なしの頭金が出せず、有利息・返済義務ありのローンに頼ろうとする人は、通常、まとまった資産をもっているはずはありません。
 土地の値上がりなど期待することは到底無理です。

 ある程度のレベルの給与をもらう、安定した企業や公務員などの給与所得者といっても、右肩上がりの給与は期待できません。ボーナスの減少、残業代のカット、自分や親戚の大病などがあれば、返済計画に破綻をきたしますし、そうでなくても子供の成長にともない、必要な学費などは増加していき、返済計画が破綻するかも知れません。

 返済計画に破綻をきたせば、400万円程度の債務超過は、大きく効いてきます。
 銀行の無担保ローン度も含め、10%程度の利率や、利息制限法ぎりぎりの18%の利率の借金に手を出すと通常はアウトです。


 結局、本来なら、ワンランク、ツーランク下げた物件の購入が正しいのです。
 自分の収入、収入の見込み「いっぱい。いっぱい」、借りられるだけ借りることが「地獄の一丁目」かも知れません。

 住宅ローン特則付き民事再生の実際の事件を見ていると、まともに頭金が入っているケースは希です。
 ほとんどが、物件価格の100%、それも諸費用ローンに手を出している人もいます。

 アメリカのサブプライムで、住宅を手放した低所得者層を笑えますか?
 弁護士の目で見れば「五十歩百歩」です。



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